米In-Stat/MDRは,世界におけるPVR(Personal Video Recorder)市場に関して調査した結果を米国時間5月12日に発表した。それによると,PVR製品の出荷台数は,2002年の150万台に対し,2003年には3倍の460万台に増加している。In-Stat/MDR社は,2004年には1100万台を越えると予測している。
PVRは,内蔵した大容量ハード・ディスク装置にビデオ録画を行う装置で,DVR(Digital Video Recorder)とも呼ばれる。
同社シニア・アナリストのMike Paxton氏は,PVR製品の出荷増加に関して2つの主な要因を挙げている。1つは,DVDプレーヤとレコーダへのPVR機能の統合が成功したこと。DVD-PVR統合製品の需要は,特に日本で高い。この先数年間,PVR機能を搭載するDVDレコーダの割合は,世界全体で増加することが予測されるという。
もう1つの要因は,衛星放送とケーブルTV事業者によるPVR対応セットトップ・ボックスの需要が高まっている点。多くの有料TVサービス・プロバイダは,加入者からの売り上げ増加と顧客の保有を目的としてPVR製品を提供している。
同社は,DVD-PVR製品とPVR対応衛星放送向けセットトップ・ボックスは,引き続き2004年の成長をけん引し,出荷台数全体の80%に達すると推測している。
そのほかにも,調査によりPVR対応のケーブル・セットトップ・ボックスは,北米において特に人気が高まっており,ケーブルTVではすでに50万を越える世帯のセットトップ・ボックスはPVRに対応していることが明らかになった。
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