米Intelは,同社製プロセサに対応するコンパイラ「Intel C++ Compiler」,「Intel Fortran Compiler」の新版「Version 9.0」を米国時間6月14日に発表した。新版では,スレッド化したアプリケーションの作成,マルチコア・プラットフォームにおけるアプリケーションのパフォーマンス向上を支援する。また,LinuxとWindowsアプリケーションのセキュリティも強化する。

 同コンパイラは,プロセサの命令をスレッド・レベルで並列処理する「Hyper-Threading(HT)Technology」に対応している。自動並列化オプションにより,アプリケーションを自動的に複数スレッド化できる。さらに,複数スレッド化されたアプリケーションの作成と管理を支援するために,共有メモリー型並列アーキテクチャ用の並列プログラミング規格であるOpenMP 2.5にも対応している。

 新版では,同コンパイラを使って最適化したコードのデバッグができるようになった。また,Linux環境向けにWindows環境に匹敵するアプリケーション・レベルのセキュリティ・サポートを提供する。

 「マルチコア・プラットフォームの需要が高まっており,この大きなアーキテクチャの移行が,ソフトウエア・ベンダーにとって製品に性能,機能,革新技術を追加する機会となっている。新版のコンパイラは,開発者によるマルチコアのスレッド化された環境向けアプリケーションの開発を促進するものである」(同社ソフトウエア製品部門ジェネラル・マネージャのBill Savage氏)

 Version 9.0のIntel C++ CompilerおよびIntel Fortran Compilerは,Windows版とLinux版が用意され,同日より利用可能できる。価格はC++ Compilerが399ドル, Fortran Compilerが499ドルから。その他の詳細は,同社Webサイトに掲載されている。

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