米Symantecは,ブラウザや電子メール向けツールバーを手がける米Hotbar.comをカリフォルニア北部サンホゼ地区連邦地裁に提訴した。Symantec社が米国時間6月7日に明らかにしたもの。「Hotbar.com社のプログラムがアドウエアであることを明確にし,ユーザーがコンピュータからファイルを取り除けるように支援したい」(同社)

 訴訟は損害賠償を求めるものではなく,「Hotbar.com社のプログラムはアドウエアであり,セキュリティ・リスクにつながる可能性がある」とするSymantec社の主張を認める宣言的判決を請願している。

 Symantec社法務担当上級ディレクタのJoy Cartun氏は,「裁判所に当社の主張を認めてもらうことで,ユーザーにこのようなプログラムの存在を警告し,セキュリティ・リスクを回避できるようにするのが狙い」と説明する。「この訴訟は,ユーザーが自分のコンピュータ上で動作するプログラムを,より自由に管理できるようにするために必要」(同氏)

 米メディア(TechWeb)によると,Hotbar.com社は昨年,同社のプログラムがSymantec社のウイルス対策ソフトウエアでアドウエアと判断されるため,対象データベースから取り除くようSymantec社に申し入れた。しかし,Symantec社が再検討の結果,Hotbar.com社のプログラムをアドウエアと判断すると,「Hotbar.com社は当社を訴えると脅してきた」(Symantec社)。

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