米Microsoftの会長兼チーフ・ソフトウエア・アーキテクトのBill Gates氏がこのほど明らかにしたところによると,同社は現在スパイウエア対策ソリューションを開発中である。ただし,出荷時期や出荷形態(Windowsにバンドルするか,独立した製品にするか)には明言しなかった。

 Gates氏によると,Microsoftは年間50億ドルの研究開発予算のうち,数億ドルをMalware(悪意のあるソフト)やAdware(顧客の情報を盗み出すソフト)などの問題解決に投じているという。また自分のマシンがウイルスにやられたことはなかったが,スパイウエアに蝕まれたことはある,と述べた。そのため,Gates氏はサード・パーティ製のスパイウエア対策ソフトを走らせているという。

 これに関連するMicrosoftのWeb放送の中で,同社のセキュリティ・ビジネス&テクノロジ担当の副社長であるMike Nash氏は,同社のスパイウエア対策が,Windows XP Service Pack 2(SP2)と同じような,無償アップデートとしておそらく提供されると述べている。「いくつかは,プラットフォームの拡張保護機能として提供されるだろう。一方,既に優れたサード・パーティ・ソリューションが手に入るのも事実だ。計画が進展したら,また報告する」という。

 加えて,Microsoftはウイルス対策ソリューションも開発中である。ただし,製品の提供計画は変更になった可能性もある。元々,Microsoftは次世代Windows「Longhorn」(開発コード名)のコア部分に,ウイルス対策技術を組み込んで出荷するつもりであった。しかし,Longhornの出荷は2006年にずれ込んだので,Microsoftのウイルス対策ソリューションの提供は,それより前に,恐らくWindows XPのアップデートとして提供される可能性がある。

(Paul Thurrott)


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