米Microsoftは,同社会長兼チーフ・ソフトウエア・アーキテクト(CSA)のBill Gates氏が顧客に向けて米国時間5月19日に送った電子メールの内容を公開した。インフォメーション・ワーカー向けソフトウエアが直面している現状と,将来の展望などについて述べている。

 同氏は個人の生産性向上が企業全体の成長につながると説明。次世代インフォメーション・ワーカー向けソフトウエアで重視すべき機能として,パターン認識および適応フィルタリング,統合コミュニケーション,プレゼンス,チーム・コラボレーション,サプライ・チェーン最適化,適切な情報検出などを挙げた。

 電子メールの主な内容は以下の通り。

 過去10年で,ソフトウエアは,バラバラだった情報をつなぐ橋渡しとなり,人々が重要なデータをやり取りして協力し合うための強力な手段を提供してきた。しかし今後のソフトウエアの課題は,必要な情報にアクセスできるかどうかよりも,所有している情報を有効活用できるかどうかだ。人々がノウハウを集約して優先適用し,重要なデータを視覚化することで把握し,あふれる情報を処理する手間を削減するための機能を提供しなければならない。

 既存の機能を継承しつつ,インフォメーション・ワーカーが常に変化する職場環境に適応し,なおかつ能力を発揮できるソフトウエアを構築するべき時だ。

 新たな問題としては,情報の氾濫,新技術のスキルの取得,生産性向上の責任負担などがある。例えば,北米の一般的なインフォメーション・ワーカーが受け取る電子メール件数は,1997年と比べ10倍に増加し,さらに拡大し続けている。社員の56%が複数のプロジェクトを同時に抱え,しかもしょっちゅう中断に追いやられる。また,必要なデータを探して,1日の勤務時間の最大30%を費やしている状態だ。

 当社は,企業がより機敏に対応し,生産性を高めるためには,社員一人ひとりの能力を強化することが重要だと考える。次世代のソフトウエアは,これを実現するための,重要な一要素となる。

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