米Gartnerは,大企業のビジネス・インテリジェンス(BI)導入に関する調査結果を米国時間3月8日に発表した。それによると,2008年には,2004年の約3倍のBI担当者が必要になるという。同社は,BI導入における最も大きな障害として,「乏しいユーザー・スキルとベスト・プラクティスに関する知識の欠如」,次に「高い総所有コスト(TCO)」を挙げる。

 調査は,米国,カナダ,ドイツ,フランス,英国,中国,日本,オーストラリアの小~大企業のIT部門および業務部門に属する917人を対象に実施したもの。

 Gartner社バイス・プレジデント兼フェローのHoward Dresner氏は「スキルとTCOの不足は関連性がある。たくさんのトライ・アンド・エラーが求められるプロジェクトはコストがより高くなるからだ」と説明する。「特にアジアや初めてBIを導入する企業にとって,高TCOが障害となっている。日本では,約半数が『BIの習得が困難であることが,導入の妨げとなっている』と答えている」(同氏)

 2005年のBI支出については,北米の回答者の39%が「増える」とし,34%は「2004年と同程度」とみている。BIへの投資理由としては「ユーザー・ニーズに即応したデータ提供」「意志決定の迅速化および向上」が挙がった。

 「BIを既に導入済みの企業は,BIソフトウエアの支出が2005年に増えると予測している。確立された市場では,ハイテク企業,通信企業,大規模な保健機関,および中規模の教育機関の大半で支出が増える見込み。ただし小売業では減少するとみる」(同氏)

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