米Oracleは,小売業界向けソフトウエア開発を手がける米Retekの全発行済株式の約94%を取得し,買収に成功したことを米国時間4月11日に明らかにした。買収後のRetek社はOracle社の独立した小売り事業部門として運営されるという。

 同社は3月22日,Retek社が発行済み株式1株あたり11.25ドルという買収案に応じたことを発表しており,公開買付(TOB)を実施していた。すでに所有していた9.8%の株式と合わせ9割超を確保したため,Retek社の経営権を掌握したことを4月6日に明らかにしていた。

 Retek社は2月,ドイツのSAPに買収されることで合意に達しており,SAP社はRetek社の株式1株当たり8.50ドル(買収総額は約4億9600万ドル)で公開買付を実施していた。

 しかし,Oracle社がそれを上回る1株あたり9.00ドルでRetek社株式の公開買付を3月9日に開始。その時点で,同社はすでにRetek社の全発行済み株式の約10%にあたる550万株を市場で購入済みだったという。SAP社はこれに対抗していったんは買い付け価格を引き上げたが,その後撤退を表明していた。

 Oracle社によるRetek社の買収は,すでに米司法省とドイツのカルテル庁から最終的な認可が下されていることを同社は明らかにしている。

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