ドイツのSAPは,米Retekの株式の公開買付(TOB)金額を従来より29%引き上げ,1株あたり11.00ドルとする。SAP社とRetek社がドイツと米国でそれぞれ現地時間3月17日に明らかにしたもの。Retek社役員会は自社株主に対し,SAP社の変更後の提案を受け入れるよう勧告しているという。

  SAP社は2月28日に,小売業界向けソフトウエア・ベンダーのRetek社を買収することで,両社が合意に至ったと発表。当初の公開買付金額は株式1株当たり8.50ドル(買収総額は約4億9600万ドル)だった。

 しかし,Oracle社が1株あたり9.00ドルでRetek社株式の公開買付を3月9日に開始した。なおOracle社は,3月7日と8日に,Retek社の全発行済み株式の約10%にあたる550万株を購入済みだという。

 SAP社の変更後の買付金額は,「Oracle社の提示額を22%上回り,3月16日のRetek社株式の終値より約5%高い」(SAP社)。米メディアの報道(internetnews.com)によると,買収総額は6億2900万ドルにのぼる。

 また提示額変更に伴い,取引の解約料を1500万ドルから2500万ドルに改訂した。なお,その他の条件に変更はなく,SAP社による公開買付の期限は米国東部時間4月1日正午の予定(延期の可能性もある)。

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