フィンランドのセキュリティ・ベンダーSSH Communications Securityは,セキュアなファイル転送向け新製品「SSH Tectia」を現地時間3月22日に発表した。同製品は,異種混合型の企業ネットワークにおいて,保護されていないFTP接続をアップグレードして高性能の暗号により安全なファイル転送を実現させるもの。

 SSH Tectiaは,同社が開発した「Secure Shell」技術のSFTP(Secure File Transfer Protocol)機能をベースに作成された。第3世代の高性能プロトコル・アーキテクチャ「SSH G3」とオプションの「CryptiCore」暗号を実装している。

 同社CEOのArto Vainio氏は,「同製品は,最小限の労力で安全ではないFTP接続をSFTPにアップグレードするというニーズに対応するために設計された」と説明している。

 同製品は,Unix,Linux,Windows,IBMメインフレームを含む主要プラットフォームに対応。SSH Tectia Managerにより一元管理が可能なため,コスト削減とともに容易に法令に遵守させることが可能となるという。

 同製品は,JavaやC言語向けのクライアント側SFTP API(Application Programming Interface)により,セキュアなファイル転送機能をアプリケーションやサードパーティのファイル転送管理システムにシームレスに統合が可能となる。

 新しいSSH G3アーキテクチャ,オプションのCryptiCoreアルゴリズム,IBM製メインフレーム・ハードウエア暗号機能サポートにより,ファイル転送パフォーマンスが促進される。また,チェックポイント/再スタート機能により,大規模なファイル転送における耐障害性が高まり,ユーザーの生産性,ファイル転送の信頼性が向上し,ファイル転送管理が容易になるという。

 SSH Tectiaは,2005年夏に提供が予定されている。同製品の詳細は,同社WWWサイトに記載されている。

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