Linuxの普及促進を目指す非営利団体Open Source Development Lab(OSDL)は,韓国電子通信研究院(ETRI:Electronics and Telecommunications Research Institute)がOSDLに参加することを現地時間3月21日に発表した。韓国からは,初めてのOSDLメンバーとなる。

 ETRIは,韓国政府が出資する非営利目的の研究機関。1976年に設立されて以来,電気通信技術や半導体技術などの研究開発を手がけている。OSDLでは,キャリア・グレードLinux(CGL),データセンターLinux(DCL)ワーキング・グループに参加する予定という。

 2004年4月に韓国,日本,中国の3国の政府は,現在使われているオペレーティング・システムの代替としてLinuxを促進することで合意しており,OSS(Open Source Software)促進フォーラムを設立した。ETRIは,同フォーラムの一部として重要な役割りを果たしており,韓国市場において積極的にLinuxの促進を行なっている。

 米調査会社のIDCによれば,日本を除くアジア市場におけるLinuxソフトウエアの売上高は,2004年から2008年にかけて年間成長率82.5%で増大する。2005年だけでも売上高は78.6%増加するとみられている。同社は,同地域における通信サービスの売上高は2005年に11%増の1630億ドルに成長すると予測している。

 韓国政府のLinuxへの取り組みの一部として,韓国ソフトウエア振興院(KIPA:Korea IT Industry Promotion Agency)は,政府プロジェクトをLinuxとオープンソース・ソフトウエアに切り替えることを2004年1月に発表している。

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