米AMDは,Linuxの普及促進を目指す非営利団体Open Source Development Lab(OSDL)に参加した。AMD社とOSDLが米国時間4月22日に明らかにしたもの。同社は,OSDL内のデータ・センター向けLinuxを検討するワーキング・グループData Center Linuxと,通信業界向けLinuxを扱うワーキング・グループCarrier Grade Linuxに加わる。

 OSDLは,LinuxとLinux用アプリケーションをデータ・センターや通信業界へ展開することを目的として2000年に設立された団体。複数のIT関連企業からの支援を受けつつも,運営は独立している。2003年には,Linuxの生みの親であるLinus Torvalds氏がOSDLフェローとして参加した。

 「当社とOSDLは同じ目標を掲げている。それは,信頼性が高く拡張可能で経済的なLinuxベースの企業向けソリューションについて開発を推進したい,というものだ。OSDL内の業界ワーキング・グループへの参加を通じ,当社のマイクロプロセサ・プラットフォームに関する膨大な経験を提供し,Linuxを戦略的OSに発展させる活動を支援する」(AMD社マイクロプロセサ事業部門担当副社長兼ジェネラル・マネージャのMarty Seyer氏)

 米メディアの報道(CNET News.com)によると,OSDLの設立にはAMD社のライバルである米Intelも協力し,現在も活動を続けている。AMD社に対抗するというIntel社の思惑に反し,Torvalds氏はAMD社の64ビット・アーキテクチャへの対応を表明している。

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[発表資料(AMD社)]
[発表資料(OSDL)]