IEEE1394の標準化を進める業界団体1394 Trade Association(1394 TA)は,MPEG-4伝送に関するスタディ・グループの発足を米国時間2月28日に発表した。同グループは,IEEE 1394を介してMPEG-4ビデオを伝送するための新しい仕様の必要性を調査する目的で設立されたもの。

 同スタディ・グループは,MPEG-4仕様のどの部分が適用できるかを判断し,実装に向けた戦略の見直しを行なう。MPEG-4 over IEEE 1394プロジェクトは,英Oxford SemiconductorのDon Harwood氏が監督する。同年3月より実施される定期的なミーティングを通じて評価が行なわれ,結果はArchitecture Work Groupに報告される。

 1394 TAによれば,同グループは,最初にMPEG-4規格の見直しを行なう。特にH.264ビデオ・コーデックに焦点が当てられる。H.264は,Moving Pictures Experts Group(MPEG)と国際電気通信連合(ITU)が共同開発したもので,次世代ビデオ・コーデックとしてMPEG-4仕様の中に承認されている。HDTV,第3世代モバイル・マルチメディア,ビデオ会議を含む幅広い用途に向けて設計されている。

 また,新しい仕様として1394を介してネイティブでMPEG-4を転送するための規格,または1394向けにMPEG-2カプセル化を指定するIEC 61883-4標準の拡張といった規格にに向けた戦略が検討される。

 2002年以降,MPEG-4ビデオ機能を搭載するデジタルTV,モバイル端末,DVDプレーヤ/レコーダ,その他の機器の出荷台数は増加しており,その傾向が続くと1394 TAは予測している。

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