MPEGビデオ特許のライセンス管理会社である米MPEG LA(Licensing Administrator)は,ビデオ・コーデック規格Advanced Video Coding(AVC)/H.264関連特許にかかわるライセンス一括供与の枠組み「AVC Patent Portfolio License」を拡張し,「AVC Fidelity Range Extensions(FRExt/AVC)」プロファイルも対象とする。MPEG LA社が米国時間1月31日に明らかにしたもの。改定版ライセンスは2005年3月に発行する。既存ライセンシも新ライセンスの適用を受ける。

 AVC/H.264はデジタル・ビデオ用コーデック規格で,ISO/IEC IS14496-10やMPEG-4 Part 10とも呼ぶ。MPEG-2ビデオ・コーデックの2~3倍の圧縮率を実現すると推定され,MPEG-4 Part 2に代わる次世代ビジュアル・コーディング技術になるとみられている。FRExt/AVCは,同規格に追加されたプロファイルである。

 AVC Patent Portfolio Licenseを利用すると,複数の特許所有者と個別に交渉/契約する必要がなくなり,単一ライセンスでAVC/H.264を使用できるようになる。

 ライセンスを改定するにあたって,ライセンス料は変更しない。利用するプロファイル数にかかわらず,従来と同じ条件を適用する。

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