米Infonetics Research社は,北米のケーブルVoIP装置市場に関する調査結果を米国時間2月3日に発表した。それによると,北米のケーブルVoIP加入者数は,2003年から2004年の間に900%増加して5万人未満だったのが50万人近くまで増加した。同期間においてケーブル・ブロードバンドの加入者数は1770万人が26%増加して2240万人に達している。
北米のケーブル通信事業者は,VoIP装置への投資を増額している。2003年の6300万ドルが2004年にはほぼ2倍のおよそ1億2300万ドルに達している。同社は投資の増額が進み,2007年まで2ケタ成長が続くと予測している。
同社アナリストのKevin Mitchell氏は,「CATV統括運営会社(MSO)は,より広い市場向けにサービス提供,または試験運用を開始したため,2004年の投資は急増した。ケーブルVoIP加入者の数はかなり少なく,2004年の時点で2社のMSOで加入者総数の90%以上を占めている」と説明している。
同氏によれば,MSOが直接提供するケーブル・ブロードバンドの加入者間でVoIPサービスを導入している割合は,2004年に2%だったが2007年には15%まで拡大するという。
同社は,VoIP装置市場の成長は拡大の主な要因のひとつとして,ケーブル・テレビのネットワーク上でIPベースのブロードバンド・サービスを実現させる仕様「PacketCable Multimedia」の完成度の高まりを挙げている。同仕様により,ケーブル・ブロードバンドにおける通信とエンタテイメントの統合が進み,パソコンとテレビの境界が曖昧になるという。
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