米J.D. Power and Associatesは米国時間7月1日に,米国家庭の通話サービス利用に関する調査結果を発表した。それによると,過半数の家庭が,長距離通話サービスと別の通信商品を組み合わせたバンドル・サービスを利用している。「同一プロバイダから複数の商品のバンドル・サービスを導入する家庭が急速に増えている」(同社)

 調査は,米国家庭1万500世帯以上を対象にアンケートを実施したもの。

 現在,同一プロバイダによる長距離通話と市内通話のバンドル・サービスを利用する家庭は51%で,2002年の調査時の26%から増加している。バンドル・サービスを導入している家庭と導入していない家庭では平均通話料には大差がないが,導入している家庭の方がおおむね満足度が高い。なお,長距離通話の支出は縮小し続けており,現在の月額利用料は平均20ドル80セントで,2003年から15%低下している。

 J.D. Power and Associates社電気通信調査担当上級ディレクタのSteve Kirkeby氏は,「現在は,単一のプロバイダが多数のサービスを提供している。消費者にとって,利用料が安いというだけでなく,請求書が一つにまとまっている利便性も,バンドル・サービスを採用する要因だ」と説明する。同氏によると,回答者の35%以上が,すべての通信サービス(有線,無線,ケーブルTVおよび衛星放送)を単一のプロバイダに集約しても良いと考えており,「消費者は,連絡窓口をひとつにまとめることを強く望んでいる」(同氏)。

 また,バンドルおよびスタンドアロンの長距離通話サービスを利用している家庭を対象に満足度を調査したところ,ケーブル事業者が最も好評だった。バンドル・サービス・ユーザーのあいだで最も満足度が高かったのは米Cox Communications,スタンドアロン・サービス・ユーザーのあいだでは米Qwest Communications Internationalがトップだった。

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