米Sprintは,2004年第4四半期と通期の決算報告を米国時間2月3日に発表した。無線事業が好調で,第4四半期は過去最高となる158万人の新規顧客を獲得した。同期の売上高は前年比4%増で前期からはほぼ同レベルとなった。前年同期から2ケタ台の成長をみせた無線事業と安定した地域電気通信事業の売上高が,長距離通信事業からの売上高の減少を補った。

 同期は,継続事業からのGAAPベースの純利益が4億3700万ドル(希薄後の1株あたり利益が29セント)で,前年同期の1億1000万ドル(同8セント)から増収となった。調整後の連結営業利益は10億ドルで前年同期から32%,前期から20%の増加した。

 調整後の連結EBITDA(利子,税金,減価償却費控除前利益)は20億5000万ドルで前年同期から1%増加したが,前期からは1%減となった。同期は,地域通信事業におけるEBITDAが好調だったが,長距離通信事業では低調だった。無線事業からのEBITDAは前年同期から20%以上増加した。

 減価償却費が13億ドルから10億ドルに減少し,固定資産価値の減損を含む経費も3億7000万ドルから4600万ドルに低下した。特殊アイテムを除いた調整後の1株あたりの利益は31セントで,前年同期の17セントから82%の増収となった。

 同社が同期に獲得した無線サービスの158万人の新規顧客は,52万6000人が同社と直接契約し,残りの92万3000人はSprint社のネットワークを使って自社ブランドのサービスを提供する小売り顧客を通じて契約している。

 通期でみると,売上高は274億ドルで前年から5%増となった。継続事業からの1株あたりの損失は71セントで前年同期の21セントからさらに赤字が進んでいる,調整後の1株あたりの利益は93セントで前年同期の63セントから48%の増収となった。

 調整後の連結EBITDAは81億3000万ドルで前年から3%の増収となった。通期の調整後の連結営業利益は前年から16%増の34億ドルだった。

 2004年末の時点で,同社は1780万人の顧客を抱えている。無線サービスの子役は2480万人で前年同期から22%に相当する440万人が増加している。地域通信サービスは,第4四半期にDSL加入者が6万人追加され,年末時点で前年から60%増の50万人に達した。

 同社は,2005年通期の業績予測も明らかにした。無線事業にけん引され,売上高は2ケタ台前半の増収となり,調整後の連結EBITDA(利子,税金,減価償却費控除前利益)は,85億~87億ドルの範囲を見込む。通期の資本支出は40億~42億ドルの範囲になるという。

 同社は,Nextel社との合併を2005年後半に完了する予定。合併完了後に,Sprint社の地域電気通信事業の分離を計画している。両社を合計した規模は約700億ドル。無線サービス加入者数は合計3500万人以上にのぼるという。

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