米Sprintと米Nextel Communicationsは,両社が合併することで最終合意に達したことを米国時間12月15日に発表した。すでに両社取締役会の承認を得ているという。新会社の名称は「Sprint Nextel」で,両社はこれを「対等合併」としている。

 取引は2005年後半に完了する予定。合併完了後に,Sprint社の地域電気通信事業を分離する計画である。

 両社を合計した規模は約700億ドル。無線サービス加入者数は合計3500万人以上にのぼる。関連および提携事業者を通じた加入者は500万人。「両社と関連および提携事業者を合わせたネットワークは,他のいずれのキャリアと比べても広範な約2億6200万人の米国民をカバーする」(両社)

 2003年10月~2004年9月における両社の売上高は,合計約400億ドル。そのうち60億ドルが地域電気通信事業によるものという。

 ちなみに米メディア(CNET News.com)は,「Sprint社によるNextel社買収」と報じている。Sprint社は米国第3位,Nextel社は第5位の無線通信事業者で,合併により第1位の米Cingular Wireless,第2位の米Verizon Wirelessに対抗する顧客基盤を抱えることになる。

 「Sprint社が世界規模で所有するインターネット・ネットワークを用いて,企業や政府機関向けには統合アプリケーションを,消費者向けには新たなブロードバンド無線サービスを提供し,通信サービスの差別化を図る」(両社)

 両社の株主は,新会社の株式をそれぞれ50%所有する。Nextel社の株主は,同社株式1株につき新会社の株式1.3株(一部現金)を受け取る。

 新会社の社長兼CEOには,現Sprint社会長兼CEOのGary D. Forsee氏が就く予定。同会長には,現Nextel社社長兼CEOのTimothy M. Donahue氏が就任する。取締役会は,両社から各6人を選出し,合計12人で構成する。

 「合併により,両社が別々に歩むよりもはるかに大きな成功を遂げることができる。新会社は,ダイナミックな次世代通信企業となるだろう」(Forsee氏)

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[発表資料(Sprint社のプレス・リリース)]
[発表資料(Nextel社のプレス・リリース)]