米IDCは,2004年第4四半期における世界のパソコン市場に関する調査結果を米国時間1月18日に明らかにした。それによれば,中小企業部門とホリデーシーズンの消費者の需要にけん引され,同市場は13.7%成長した。

 総出荷台数は5150万台で同社の成長予想13%を回り,7期連続で2桁台の成長となった。通年の出荷台数は前年から14.7%増の1億7750万台に達した。この数は,2000年の出荷台数を26%上回る。同社は,2005年の成長率はおよそ10%となり,それ以降の成長率は一桁台になると予測している。

 「企業の需要とEMEA(欧州/中東/アフリカ)地域などの主要地域の伸びが市場をけん引した。EMEAやその他の地域においては,季節的な要因により消費者向けの出荷が増加したが,依然として企業市場の方が規模は大きく,2004年半ば以降成長速度も上回っている。パソコンの買い替えと新規の投資は少なくとも2005年末まで引き続き企業市場の成長をけん引するだろう」(同社Worldwide Quarterly PC Tracker部門ディレクタのLoren Loverde氏)

 メーカー別にみると,Dell社が市場シェア17%を獲得して首位についた。同社は,HP社がCompaq社と合併して以降,2002年第4四半期と2003年にHP社に首位を譲っていた。その他のメーカーでは,Gateway社とApple社の盛り返しがみられた。Gateway社のシェアは依然として下降しているが,eMachines社を買収して以降,初めて意味ある回復の兆しがみられた。また,Apple社もiMacの新製品と音楽関連のビジネスで注目を集めた。

 地域別にみると,米国では消費者市場が軟調だったが全体的な成長は堅調で1桁台後半の伸びをみせた。EMEA地域は,強いユーロ,ノートの普及,投資増加に好影響を受けてパソコン市場は成長している。また,EUの拡張と価格低下も成長の要因となっている。日本は,企業市場が成長を続けている。アジア太平洋地域は,韓国の需要が軟調だったが全体の成長は事前の予測に一致した。

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