英MessageLabsは,アップデートした企業向けスパム防止サービス「MessageLabs Anti-Spam 4.0」の提供開始を現地時間12月1日に発表した。同サービスは,米Symantecのスパム遮断技術「Brightmail Anti-Spam」を組み込んだもの。スパムを検出する効率性と精度を高めるための技術を強化している。企業はサービス導入方法を柔軟に選択できるため,管理者は要件に合わせてサービスの設定ができるという。

 Anti-Spam 4.0は,Symantec社のBrightmail技術,同社の「MessageLabs Skeptic Anti-Spam」技術,その他の検出技術を含む複数層のアプローチを提供している。同製品は,スパム検出の精度を高めながら,企業ネットワークにスパムが到達する前にすべてを遮断するように設計されている。

 同サービスは,電子メール・セキュリティと管理サービスを企業に提供するMessageLabsスイートの一部として管理され,企業は,TCO,帯域幅,ストレージ・コストを削減しながら,重要なインフラを保護し,ビジネス上の通信のリスクを軽減できるという。

 Spam Managerアカウントを使うことにより,企業内のユーザーはMessageLabs社のSpam Managerサーバーにスパムを転送できるため,内部システムが影響を受けずに済む。定期報告の通知オプションにより,それぞれのユーザーは,転送された電子メールの情報を知ることもできる。セキュアなWebインタフェースを介して容易にSpam Manager内の電子メールの閲覧,削除,受信ボックスへの移動もできる。

 自社のスキャン技術であるSkepticは,ヒューリスティックス,ベイジアン,接続ベースのフィルタリング,署名,動的なヘッダ分析といった事前的な技術によりスパムの検出と遮断を行なう。世界中に配備したプラットフォームにより,1日に数千件の電子メールのスキャンを行い,フィルタリングを行ないながら最新のスパム技術に対応するようにリアルタイムでデータベースをアップデートする。また,同技術は,ソフトウエアの署名の分析,スパム送信プログラムから送られた電子メールの検出も行なう。

 接続ベースのフィルタリング機能は,疑わしいIPアドレス,ゾンビ・マシン(悪質なプログラムをインストールされて第3者に乗っ取られたコンピュータ)から送信されている電子メールに焦点を当ててパフォーマンスが改良された。

 その他にも,Anti-Spam 4.0では,2バイトのアジア文字に対する検出も強化している。スパム・フィルタは,アジア言語のコンテンツを分析するまで進歩していないため,スパム・フィルタを回避する手段として2バイト文字のスパム送信が行なわれている。言語の専門家を雇って,自社ネットワークで受信する数百万件におよぶ外国語の電子メールの分析を行なった結果,この手のスパムを排除するアルゴリズムの開発に成功した。

 同社の調べによれば,企業が受信するスパムの割り合いは,受信メールの73%に達しているという。

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