英MessageLabsと米Symantecは米国時間9月1日に,スパム対策に関する提携を発表した。MessageLabs社の企業向けスパム防止サービスにSymantec社のスパム遮断技術「Brightmail Anti-Spam」を組み込む。

 MessageLabs社のサービスにSymantec社の技術を取り入れることで,「効果的で精度が高く,完全に管理されたスパム防止ソリューションを提供する」(両社)としている。

 米Ferris Researchのスパム・プラクティス担当アナリストであるRichi Jennings氏は,「スパム・メールは,ほぼすべての企業に悪影響を及ぼしている。法的義務やセキュリティの問題,ネットワーク・リソースの浪費,生産性の激減といった損害が発生する。スパム対策に成功している企業は,複数の検知技術を組み合わせるなど,効果的なスパム・フィルタリング技術を導入している」と説明する。

 Brightmail Anti-Spam 6.0は,17種類のフィルタを用いる。英語以外の言語にも対応し,評価ベースのフィルタリングや署名およびURLフィルタリングなどにより,スパム・メールを遮断する。MessageLabs社のスパム防止サービスは,自社のスキャン技術「Skeptic」を使って,署名のない新種のウイルスも検知できるという。

 「電子メールは企業における第一のコミュニケーション・ツールとなっているが,電子メールに対する脅威は増え続けており,受信箱の60%をスパム・メールが占めている。MessageLabs社と協力し,すぐれたアンチスパム技術を広範な顧客に提供できることに満足している」(Symantec社Network and Gateway Solutions部門上級バイス・プレジデントのEnrique Salem氏)

 MessageLabs社は,Brightmail Anti-Spamを組み込んだサービスの提供を2004年第4四半期に開始する。

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