米Kineto Wirelessは,無線LANを介してモバイル向け音声とデータ・サービスを拡張する仕様の公開を米国時間9月7日に発表した。Unlicensed Mobile Access(UMA)技術は,Bluetoothや802.11を含む免許不要な周波帯域を利用してGSMとGPRSモバイル・サービスへのアクセスを提供するもの。UMA仕様は,Kineto Wireless社を含む無線関連企業14社で構成する業界団体が開発した。

 公開されたUMA仕様により,サービス・プロバイダは,加入者がデュアル・モードのモバイル・ハンドセットを使って携帯電話網と免許不要な公衆,またはプライベートな無線ネットワーク間でシームレスにローミングと引継ぎができるサービスの提供が可能になる。

 UMA仕様の開発は,2003年下旬に開始された。同プロジェクトは,Bluetoothと802.11を含む免許不要な周波数帯域を利用する音声とデータ・サービスを拡張する技術ソリューションの作成,促進を目的としている。開発には,仏Alcatel,米AT&T Wireless Services,英BT,米Cingular Wireless,スウェーデンのEricsson,米Motorola,フィンランドのNokia,ドイツのSiemens,米T-Mobile USAを含む全14社が参加している。

 「携帯電話網と無線LANへのアクセスを融合させるUMA仕様は,無線業界において大きなマイルストーンになると信じている。UMAベースのサービス普及を支援するために,Kineto社は多数のUMA準拠製品とサービスをサービス・プロバイダとモバイル機器コミュニティに提供している」(Kineto Wireless社社長兼CEOのJohn O'Connell氏)

 UMA技術と同仕様の詳細は,UMA technologyのWebサイトで公開されている。

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