米Hewlett-Packard(HP)は,新しいファイル・サーバー「HP StorageWorks Scalable File Share(HP SFS)」をドイツで現地時間6月23日に発表した。同製品は,サーバーとストレージ・クラスタにおいて並行してファイルを保存することにより帯域幅の共有を可能にする。同社によれば,新しいLinuxクラスタリング技術の採用により,通常のクラスタと比較して最大100倍の帯域幅を提供するという。

 HP SFSは,同社の“ストレージ・グリッド”アーキテクチャを採用する2番目の製品であり,同社が,米エネルギー省(DOE),Cluster File Systems社と共同で開発した「Lustre」と呼ばれる新しいLinuxクラスタリング技術を採用する最初の製品となる。

 同製品は,高性能コンピューティング(HPC)をターゲットにしており,接続されるサーバーやストレージ・デバイスの数に関わらず,アプリケーションはファイル・システムを単一のイメージとして捉える。

 HP SFSで採用されているLustreプロトコルは,米エネルギー省の国立研究所であるPNNL(Pacific Northwest National Laboratory)などのHPC環境においてすでに利用されている。I/O帯域幅のボトルネック解消,数千という分散されたファイル・システムにおけるファイルのコピーにかかる時間の節約を支援している。

 HP SFSは,まず同社のストレージ・ソリューション「StorageWorks Enterprise Virtual Array」と低価格な「StorageWorks Modular Smart Array」を組み合わせた2つの構成を用意する。同社のHP StorageWorks戦略の拡張に伴って,今後これ以外のストレージによる構成が加えられる予定。

 ちなみに,同社は,5月に“ストレージ・グリッド”アーキテクチャを採用した最初の製品としてオール・イン・ワンのストレージ・ソリューション「The HP StorageWorks Reference Information Storage System(RISS)」を発表している。

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