米Postiniは,2004年5月のスパム/ウイルス被害状況を発表した。スパム対策法「CAN-SPAM」が施行されてから5カ月が経過したが,いまだにスパムによる被害は大きいという。Postini社が5月に処理した電子メールのうち,スパム・メールが占める割合は前月と同じ約78%だった。

 5月は,ウイルスと企業の電子メール・ディレクトリを不正に収集するDHA(Directory Harvest Attacks)と呼ばれる攻撃が3.6%増加している。同社は,1494万9940件のDHA攻撃を遮断した。また,33億件の無効な送信の試みが記録された。

 同社CEOのShinya Akamine氏は,米連邦上院議会で5月下旬に開かれた「CAN SPAMの影響」に関する公聴会において「法令が通過して以来,スパムの数は減少しておらず,スパム送信者は従来の対スパム技術を欺くようにメッセージに修正を加えている」と報告している。また,「スパム送信者がメッセージのコンテンツを短縮してパーソナライズしているため,企業は,メッセージ・コンテンツとともにSMTP接続の振る舞いを分析するソリューションを導入する必要がある」と述べている。

 同月,同社は57億件を超える電子メールを処理しており,遮断したウイルス感染メールは,1億780万1554件にのぼった。2004年5月に同社が遮断したウイルスのトップ10は以下の通り。

■2004年5月のウイルス被害状況
ウイルス名 検出数
1. netsky 70,360,394
2. objectdata 11,548,333
3. sober 10,057,537
4. mime 6,469,549
5. bagle 4,267,388
6. lovgate 1,147,340
7. klez 936,758
8. dumaru 756,743
9. mydoom 703,753
10. mhtredir 224,699

出典:Postini社

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