米In-Stat/MDRは,世界のHDTV(ハイビジョン)サービスに関する調査結果を米国時間4月5日に発表した。調査によれば,数年前から話題になっているHDTVサービスは,小規模だが視聴者を捉え,その数は確実に増加しているという。

 HDTVサービスが普及している国は限られているが,ケーブルと衛星通信業者は,同サービスを月額料金の増額で視聴できるプレミアム・サービスとして提供している。地上波のTV放送局にとっては,有料TVサービスに対抗する新兵器になっている。

 調査によれば,現在,世界全体でおよそ400万強の世帯がHDTV番組を視聴している。多くの専門家は,この数字がこの先数年で急速に増加すると推測している。HDTVサービスに対する消費者の需要が高まるため,HDTVセット,HD対応セットトップ・ボックスといった新しい家電製品の販売も促進される。しかし,HDTVサービスの成長に向けて,HD番組の増加,HD装置の価格低下など,いくつかの課題もあるという。

 同調査によって明らかになったその他の主な結果は次の通り。

・地上波,衛星,ケーブルTVを視聴する家庭で,HDTVセットでHD番組を視聴している世帯数は,2004年末までにおよそ600万世帯に達する。2008年末までには,4500万世帯に増加すると予測される。

・HDTVサービスは非常に限られた地域でのみ提供されており,試験ベースを超えたサービスの提供は,日本,米国,カナダ,オーストラリアの4ヶ国でしか実施されていない。しかし,2005年に主にアジア太平洋地域のいくつかの国において限定的にHDTVサービスの配備が予定されている。

・HDTVサービスは日本でもっとも普及しており,200万を越える世帯がHDTV番組を視聴している。2位は米国で,HDTVを視聴する世帯数は150万強だった。

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