米Broadcomは,IEEE802.11g対応チップセット「54g」を搭載した無線LAN製品の性能を向上させる新しい「Afterburner」技術の提供を発表した。同社が米国時間3月24日に明らかにした。

 Afterburner技術は,54gプラットフォームを強化するもの。同技術を採用した製品は,他の無線LAN機器のパフォーマンスに影響を与えることなく標準的な802.11gシステムのスループットを最大40%改善することができるという。

 Afterburner技術で強化した無線LANソリューションは,すべてのネットワーク機器が同技術を採用する場合に最良の速度を達成できる。しかし,実際の無線ネットワークでは,異種ブランド製品が利用される可能性もあるため,Broadcom社は802.11b/g Wi-Fi対応機器との互換性を持たせている。

 米KeyLabsが実施した評価テストによれば,Afterburner技術を採用した製品は,実社会の環境において,業界最良のパフォーマンスを達成した。高速モードにおける機器のスループットを向上させるだけでなく,Broadcom社のチップを搭載していない製品を含むネットワーク全体のパフォーマンスも改善させていることが明らかになった。

 主要無線LANベンダーの数社は,新製品に同技術を採用することを表明している。米Linksys社は,同技術を新しい製品ファミリ「SpeedBooster」に組み込んでいる。米Belkin,バッファロー(旧メルコ)やその他の企業は,同技術を「125 High Speed Mode」と呼んで推進する。これら製品により,家庭ユーザーは,家庭内のデバイス間でデジタル写真の共有,オーディオ,ビデオ・ファイルの転送といった帯域幅が必要とされる用途で無線ネットワークを利用できるようになるという。

 「Wi-Fiは,標準規格と相互運用性により普及した。Afterburner技術を採用するベンダーは,他のWi-Fi規格に準拠する製品との後方互換を保ちながら,実社会の環境において最高のスループットを実現する製品を提供できるようになった」(同社Home and Wireless Business事業部門のマーケティング・シニア・ディレクタのJeff Abramowitz氏)

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