米Communications Industry Researchers(CIR)は,世界無線LANチップセット市場に関する調査結果を米国時間7月8日に発表した。それによると,同市場は2003年の9億3800万ドル規模から,2007年には17億ドル規模に拡大するという。

 企業や消費者は,パソコンをケーブルでLANに接続する際のわずらわしさや,コストの高さを避けるために,無線LANを積極的に導入する。また,出張先でホットスポットを利用するユーザーも,市場の成長に貢献する。

 調査からOEMやODMは,伝送範囲が広く,受信感度の高い無線LANチップセットを求めていることが分かった。CIR社は,小規模メーカーがこのようなニーズに応えることで,米Intel,米Texas Instruments,米Broadcomといった大手チップ・メーカーとの競合も不可能ではない,としている

 その他の主な調査結果は次の通り。

・米Magis Networksや米XtremeSpectrumをはじめとする無線LANチップ・メーカーは,今後ますます民生電子機器市場に注力する。CIR社は,DVDプレーヤや高解像度TVと無線接続が可能な,無線LAN対応フラット・スクリーン・モニターに対する消費者の需要が急増するとみる。また,2007年のビデオ対応無線LANチップセット市場の規模を約3億5000万ドルと見積もる。

・無線LANが有線LANを完全に置き換えることはないにしろ,ワークステーションの移動に伴うコストを回避するために,無線LANを導入する企業が増加する。このため,2007年の無線LANスイッチング・ハブ向けチップセット市場は,約1億6000万ドル規模に成長する

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タイトル
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