ソニーの米国法人Sony Corporation of America(SCA)は,米国でオンライン音楽サービス「Connect」の提供予定を米国時間1月7日に明らかにした。同サービスは,2004年春に正式にスタートさせる予定。スタート時に大手音楽レーベルと多数の独立系レーベルから50万曲を超える楽曲を提供する。料金は,1曲当り99セント。アルバム全体で9ドル95セント。購読料は無料。同社は,Walkmanブランドの新製品も同日発表している。

 Connectサービスは,消費者が容易に安全な方法で楽曲を購入する手段を提供する。ユーザーは,アーティスト名,タイトル,ジャンル別にコンテンツを閲覧できる。同サービスで独占提供される特別コンテンツも用意する。楽曲は,ATRAC3オーディオ圧縮形式で提供される。

 同サービスの開発と管理,運営は,SCAが新しく設立した子会社Sony Connectが行なう。同社によってConnectサービスは,段階的に実用化される。ユーザー数を限定して一連の試験運用を経た後,2004年春に正式に発足させる予定。アップグレード・ソフトは,同年夏にリリースされる。その後も継続的に,より幅広いソニー製品,また他社製品でも同サービスが利用できるようにサービスとソフトウエアのアップグレードを手がける。

 「現時点で,米国において使用されている250万台を超えるWalkmanブランドの製品が同サービスに対応している。この先1年間で700万台を超えるだろう。ポータブル・オーディオの部門におけるソニーのリーダーシップは疑う余地がない」(Sony Electronics社パーソナル・オーディオ製品部門副社長のTodd Schrader氏)

 同社は同日,Hi-MD Walkmanデジタル音楽レコーダ,Net MD Walkmanレコーダ,ATRAC CD Walkmanプレーヤ,Network Walkmanプレーヤなどの新モデルを発表した。すべてのデバイスがSonicStage Jukebox管理ソフトを搭載しており,Connectサービスに対応する。

 Hi-MD Walkmanは,ソニーが策定した新規格「Hi-MD」により1枚のディスクに最高45時間の録音が可能。同製品は,4月に出荷を予定する。価格は200~400ドル。

 新しいNet MD Walkmanレコーダも登場する。USB接続を介してPCからの高速転送を実現。1枚およそ2ドルの80分ディスクに5時間分の録音が可能。価格は,100ドル未満~およそ150ドルの範囲。Net MDレコーダは,単三電池1本で56時間の再生が可能。出荷予定は4月。

 ATRAC CD Walkmanプレーヤは,CD-R/RWディスク1枚に最高490曲の楽曲を圧縮できる。新モデルのすべてで,G-protection技術を提供する。また,CDテキストとID3タグをサポートする。価格はおよそ60~200ドルの範囲。3月に出荷予定。

 Network Walkmanプレーヤは,内蔵メモリー容量256Mバイト,512Mバイトのバージョンが用意され,それぞれMagicGate Memory Stick Duoスロットを備える。256MバイトのモデルNW-MS70Dは現在およそ300ドルで提供中。512MバイトのモデルNW-MS90Dは,およそ400ドルで4月に出荷される予定。

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