米Jupiter Researchは米国時間7月28日に,オンライン音楽市場に関する調査結果を発表した。2003年の米国オンライン音楽市場の規模は10億ドルに満たないが,2008年には33億ドル規模に拡大し,音楽販売全体の26%を占めるようになる。

 ちなみに米メディアの報道(CNET News.com)によると,同社は2007年の市場規模を51億ドルと予測していた。

 今回の下方修正の理由として,同社は「音楽業界全体の停滞に加え,デジタル音楽サービスがなかなか軌道にのらないため」としている。

 2003年のオンラインによるCD販売は7億5000万ドルで前年から横ばいとなる見通し。また,「米Apple Computerの有料音楽配信サイト『iTunes Music Store』でデジタル音楽ダウンロードへの関心が盛り返したものの,デジタル音楽のダウンロードと会費による合計売上高は8000万ドルに届かないだろう」(Jupiter Research社上級アナリストのLee Black氏)。同社によると,著作権侵害で訴えられることを心配してファイル交換(PtoP)サービスの利用をやめたという成人オンライン・ユーザーは,わずか17%だという。

 欧州でも状況はあまり変わらない。欧州のオンライン音楽市場は過去数年間なかなか伸びず,やっと活気づき始めたところだ。しかし,「ほとんどの音楽カタログをオンラインで利用可能にするという英EMIの決断は注目すべき事だ。依然としてPtoPサービスを利用する消費者は多いものの,欧州で合法的なオンライン音楽サービスの基盤が広がりつつある」(Jupiter Research社上級アナリストのMark Mulligan氏)。

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