「2004年の家電の売上高は,2003年を5%上回る1010億ドルに達する」。家電製品の業界団体Consumer Electronics Association(CEA)が,米国における家電製品の売上高と予測を米国時間1月5日に発表した。

 同調査によれば,2003年末までの売上高は,前年から2%増の963億ドルになると推測している。この数値は,同年7月に発表した事前予測を上回る。

 ビデオ部門でみると,DTV製品は前年から56%増加しておよそ400万台が出荷されている。売上高は前年から44%増の61億ドルに達した。新しいディスプレイ技術がDTV製品の売り上げを促進した。プラズマテレビの売上高は,およそ15億ドルに達し,前年から5億1500万ドル増加した。液晶テレビの売上高は,前年の2億4600万ドルに対して6億5100万ドルだった。

 CEAは,同年におけるDTV製品の売り上げがさらに急増するとみている。出荷台数で570万台,売上高で80億ドルに達すると予測している。プラズマテレビは,売上高が22億ドル,液晶テレビは10億ドルを越えると推測する。

 スタンドアロン型DVDプレーヤは,前年の販売店への出荷台数が1700台から2210万台,売上高は24億ドルから30億ドルに増加すると予測される。現在,全米50%の世帯が最低1台のDVDプレーヤを所有している。CEAは,この数値が2004年には上昇し,出荷台数は年末までに2380万台に達するとみている。

 2003年における家庭向け衛星放送システムの販売店への出荷台数は9700万台で売上高がおよそ14億ドルだった。個人向けビデオ・レコーダの売上高は,前年から239%増の1億9300万ドルに達した。

 オーディオ部門では,デジタル製品が急速に普及している。MP3プレーヤは,著作権問題の議論が続く中で売り上げを伸ばしている。販売店への出荷台数は,前年から121%増の390万台だった。2004年には,5100万台に上昇すると予測される。2003年の売上高も,前年から171%増加して5億5600万ドルに達した。2004年には,さらに27%増加して7億600万ドルに達するとみられる。

 デジタル・イメージング部門では,デジカメの売上高が前年から22%増の34億ドルだった。出荷台数は1250万台だった。全米で33%の世帯が少なくとも1台のデジカメを所有している。

 PCと携帯電話は,一時頭打ち状態になったと考えられたが,2003年に増加した。デジタル・メディアとPCのスペック上昇によりアップグレードのサイクルが早くなり,PCの出荷台数はおよそ15%増加した。また,売上高も125億ドルに達した。2003年における携帯電話機の出荷台数も20%増加して7050万台に達し,売上高はおよそ92億ドルになると予想される。

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