米Cadence Design Systemsは,中国政府が行なう初めてのIC設計トレーニング・プログラムの開発で教育省と了解覚書(Memorandum of Understanding:MOU)に署名した。同社が米国時間11月26日に明らかにした。同プログラムは,まず中国の9大学で実施される。Cadence社は,IC設計からEDAコース,共同で開発した設計プロジェクトまで同省の構想を幅広くサポートする。

 Cadence社は,選ばれた9大学のそれぞれと直接交渉してプログラムの詳細を決定する。政府は,各大学の修士または博士課程において年間300名の学生のトレーニングを目標としている。

 「中国政府がIC設計における世界リーダーになるべく強力な基盤を築くためにCadence社を選んだことを非常に誇りに思う。特にEDA技術とトレーニングに関して単独のパートナとして選ばれたことは光栄である。教育省とは,中国にIC設計の人材を育てるという共通のビジョンを持っている。これは,Cadence社の同国におけるプレゼンスの拡張につながるだろう」(Cadence社社長兼CEOのRay Bingham氏)

 同社は,大学カリキュラムの開発以外にも,電子設計ソリューションの初期コンセプトから実現まで完全なIC設計サイクルをカバーするために,高度なIC設計とEDAコース,研修室の実践的なセッションを提供する。コースのテーマは,機能検証,デジタルIC設計,顧客IC設計,製造向け設計,シリコンパッケージ・ボードの共同設計など。

 「その規模と複雑性において,これは中国初のIC設計プログラムとなる。同プログラムにより,毎年およそ3000人の学生に学術的,または実践的な訓練を実施できる。しかし,これは始まりに過ぎない。政府は,国内のIC設計の人材のサポートとトレーニングを長期的にサポートする。この新しい試みを強化するとともに,将来的には同プログラムを他大学にも拡張する予定である」(教育省科学技術部門の副長官のLei Chaozi氏)

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