米Sendmailと米Cloudmarkは,スパム対策技術に関して戦略的提携関係に入ったことを米国時間11月23日に発表した。Sendmail社は,同社製品にCloudmark社のスパム対策ツール「Authority」を組み込む。

 SendMailの技術はインターネット上で60%を越える電子メールの処理に使われており,同社は数カ月に渡り多数のアンチスパム・ソリューションのテストを行なってきた。Authorityで採用されているspamDNA技術は,スパム認識の精度が高く,適正な電子メールがスパムと認識されてしまう問題を効率的に回避していることが明らかになった。

 Authorityは,Milterインタフェースを介して直接Sendmailに追加できる。他製品がMTA(Mail Transfer Agent)に40%の影響を与えているのに対して,Authorityは,メモリー内で実行されるため,影響を5~10%に抑えられる。新しいハードウエアもいらないため,顧客は迅速かつ容易に同製品を導入できる。また,他製品では継続的に外部サーバーに接続して規則の更新をするためにファイヤウオールの再設定が必要だが,同製品ではその必要もない。

 Authorityでは,科学者が特定の遺伝子変異を探すことで病気を予測するように,メッセージがスパムかどうかを判断するためにメッセージ構造内にspamGenesと呼ばれる特定の変異を探す。Authorityは,Cloudmark社の70万人近いピア・ツー・ピア・コミュニティによってもたらされるspamDNAを継続的かつ自動的に進化させて効率を高める。スパムは,Genetic Evolution Engineに送り込まれ,自動的にspamDNAカートリッジを生成する。これらのspamGenesは,同製品の強力な構成要素であり30~60日間は更新の必要がない。

 Sendmail社の社長兼CEOのDave Anderson氏は,Cloudmarkとの提携により,来年は50%の増収が見込めるかもしれないと述べている。

◎関連記事
「スパムとインスタント・メッセージングが電子メールを脅かす」,米IDC
米センドメール,モバイル従業員向け電子メール・ソリューションで米インテル,米HPと提携
米MSと米Brightmail,米上院のスパム・メール禁止法案可決に称賛のコメント
メール中の画像を検査しスパム検出,アラジンジャパンが対策ツール
「このセキュリティ・ホールが狙われる」――セキュリティ組織が“TOP 20"リストを公開

発表資料(1)
発表資料(2)