米SAS Institute(SAS)は,英Lloyds TSBが金融機関向けリスク管理ソフト「SAS Risk Management for Banking」を採用することを米国時間9月1日に発表した。同製品は,Basel II(新自己資本比率規制)に対応した総括的なリスク管理を提供する。同製品の採用により,資本配分の改善,透過性,収益性の向上,株主への利益還元が可能になるという。
SAS Risk Management for Bankingは,Basel IIに対応している。融資などに利用可能な資本を最大限に確保しつつ信用,市場,事業上のリスクを効果的に管理する一貫したアプローチを提供する。
Basel IIにより,銀行はリスクを緩和するために必要な資本費用の算定が義務付けられている。同製品により顧客への貸し付けに関する複雑な分析が可能になったため,Lloyds TSBは,信用リスクの資本費用を無担保貸付で最高20%,抵当貸し付けで最高50%削減に成功している。
また,同製品は,リスク報告,パフォオーマンス・モニター,クレジット・スコアリングといった手動で行なわれていたプロセスを自動化する。販売現場におけるデータ収集を改善したため,銀行はスコアカードのパフォーマンスをより早い時点で監視できるようになった。同製品は,データウエアハウスの管理とデータ分析および細分化にも利用されている。
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