米Sprintは,無線通信サービス「PCS Vision」の加入者向けのコンテンツ配信サービスに関して,米AOL Time Warner傘下の米Warner Music Group(WMG)とソニーの米国法人Sony Music Entertainment(SME)との契約を拡張する。同社が米国時間6月30日に発表した。

 WMGとの契約拡張により,これまでストリーミングで30秒しか提供されなかった楽曲が,曲の終わりまで配信されるようになる。同サービスでは,WMGのファミリー・レーベルであるAtlantic,Elektra,Warner Bros.,Maverick,Lava,Word,Rhinoなどに所属する新旧幅広いアーティストに加え,WMGのRhino Recordsから動画と音声が付いたジョークの着信音も販売する。

 「Warner Music」ストリーミング・サービスに加え,新しい「PCS Vision Music Channel」の一部としてRhino Recordsのコンテンツが提供される。Music Channelは,アーティスト情報,写真,ビデオ・クリップ,着信音のダウンロードを含め,無線エンタテイメントのワンストップ・ソースとなる。コンテンツは,7月中旬から利用できるようになる。

 同日の発表は,同年1月に両社が発表したPCS Vision向け音楽提供と全米初の無線ストリーミングによる音楽クリップの配信サービスに関する契約を拡張したもの。

 また,同社は,Sony Music Entertainment(SME)とも無線エンタテイメントに関する契約の拡張も同日発表している。SMEは,着信音として実際にアーティストが録音した楽曲を提供する。

 他にも,Java対応のPCS Visionユーザー向けに,動画付きポリフォニックの着信音,アーティストのレコーディングからのマルチメディア・コンテンツをベースにしたJ2MEアプリケーションを提供する。

 Warner Musicは,着信音ビジネスの世界の売上高が20億ドルを越えると見ている。この大半が,より携帯電話が普及するとともに技術が進んでいる米国外における売り上げである。同社は,米国内における着信音の売り上げが5000万ドルを越えると予測している。

 PCS Visionのプレミアム・パックは月額15ドル。PCS Vision Web,テキスト・メッセージングが無制限で利用できる。月額10ドルの追加で,ゲーム,着信音,スクリーン・セーバーなどのアプリケーションが利用できる。

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