米Xybernautは,携帯コンピューティング/通信システムの技術に関して米国特許を取得したことを米国時間6月30日に発表した。同特許のタイトルは「Intrinsically Safe Enclosure and Method」。米国の安全基準における「本質安全(Intrinsically Safe)」を満たす格納装置と方法に関するもの。
同技術は,通常のコンピューティング機器が使用不可能な厳しい環境条件下における利用が期待され,軍事,政府,商用,娯楽など幅広い用途が見込まれる。一例としては,防水,密閉,衝撃吸収機能を持つウエアラブル・コンピュータへの適用などが考えられる。
同技術は,同社の別の特許技術である移動可能なコア・コンピューティング・モジュールを利用している。コアには,電源供給やディスプレイはないが,PCの「ブレイン」が含まれる。コアが格納装置に接続されると,モバイルのパーソナル・コンピューティング・デバイスとなる。ユーザーは,簡単にデバイスの「ブレイン」を別のデバイスに挿入したり取り出したりできるようになる。新しい特許技術は,コアの機能を増強することにより,厳しい条件下におけるコンピューティングにとって理想的なものとする。
新しい特許技術は,防水,環境安全などを含め,幅広い特殊用途向け格納装置をカバーしており,これらの機能をデバイスにもたらすための手段も説明している。他にも,同社のその他の知的財産との併用により,デバイスとユーザーの両方を保護するために応用することもできる。
特許で説明されるシステムのひとつに,移動可能なコア・コンピュータ・モジュールと米国のElectrical CodeのClass 1と2の本質安全に準拠する格納装置で構成されるものがある。デバイス・オペレータは,特許で概要が示されたシステムによって,引火しやすく揮発性が高いガスなど危険な要因があるために通常の電子機器が利用できない環境において,本質安全なデバイスの利用が可能になるという。
「モバイル・コンピュータのシステムが,モバイルの技術者の生産性の向上に貢献したが,周囲の条件により通常の装置が使えない環境も存在する。これら環境には,高湿度,高熱,蒸気,振動,可燃性ガスなどの条件が含まれる。特に可燃性で引火しやすい物質が存在する環境が懸念されている」(同社社長のSteven A. Newman氏)
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