米IBM社は,無線ネットワークのセキュリティを強化する新しいソフトとサービスを米国時間6月24日に発表した。複数タイプの有線,無線ネットワークにまたがって,安全でシームレスなローミングを可能にすることを狙ったもの。モバイル・ワーカーが無線LANアクセス・ポイントから企業情報にアクセスする際に,アクセスに最高レベルのセキュリティを提供する。
複数の無線アクセス環境をスムーズに切り替えるためのソフトウエア,「WebSphere Everyplace Connection Manager(WECM)」は,米国政府に導入する情報通信機器が満たすべき基準を定めたFIPS(federal information processing standard)140-2認証を取得している。
また,IBM Global Services(IGS)セキュリティ・コンサルタントは,無線ネットワークの監視ツールである「Wireless Security Auditor」やその他の無線セキュリティ・ツールを用いて,クライアントのシステム管理者にセキュリティの脆弱性を判断するための手段を提供する。IGSは,一般の企業だけでなく,サービス・プロバイダが新しいセキュリティ・ソフトウエアとネットワークを配備するのも支援する。
新版のWECMにより,モバイル・ワーカーは,ノートPCまたはPDAを使ってインターネット接続やセッションを中断させることなくWi-Fi,携帯,無線データ通信,iDEN,CDMA,無線LANアクセス・ポイント間を移動できる。安全でシームレスなローミング機能を提供するため,セッションの中断によるアプリケーションの再起動,ファイアウオールに対する再認証,新しいIPアドレスの取得,VPN接続の更新の必要はない。
同製品は,IPネットワークやプライベート・パケット無線ネットワークの両方に向けてモバイルVPNを構築して,データの暗号化,パフォーマンスの最適化,転送コストの削減を実現する。接続するネットワークに優先順位を付けられるようにした。例えば,用途によってコスト,速度,帯域幅など重視する要素を変えながらネットワークの選択ができる。また,高度なデータの圧縮により,転送コストの削減,転送の高速化,接続料の削減を実現する。
WECMのバージョン5は,独立した製品として,または同社の「Mobile Office Entry Jumpstart」ソリューションの一部として提供されている。
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