米IBMが米国時間5月6日に,企業向けの無線通信ソリューション「Mobile Office Entry Jumpstart」を発表した。IBM社のソフトウエア「WebSphere」とサービスを組み合わせ,米PalmのPDA「Palm Tungsten」を使って最大50台のクライアントに対応できる。

 同ソリューションの主な内容は以下の通り。

・Palm OS,Linux,Symbian,Pocket PCといったさまざまなPDA用OSに対応する。「これで世界市場の90%以上のPDAが利用できる」(IBM社)

・無線通信用ミドルウエア「WebSphere Everyplace Access(WEA)」の新版を提供する。「ユーザーはさまざまな機器を使って,データベース内の企業データ,各種アプリケーション,Lotus Instant Messagingなどにアクセスできるようになる」(同社)

・新たに「Intelligent Notification Services(INS)」と呼ぶ通知機能を導入した。INSを利用すると,電子メールや既存システムから重要な情報が届いた際に,ユーザーのPDAなどへ通知できる

・複数の無線アクセス環境をスムーズに切り替えるためのソフトウエア,「WebSphere Everyplace Connection Manager(WECM)」も提供する。「ホットスポットなどの公衆無線LANアクセスポイントを切り替える際に,それまで行っていた通信を継続できる」(同社)

・無線通信には1XRTT(CDMA2000)ネットワークを利用するので,データ転送速度は最高153Kbps

 Mobile Office Entry Jumpstartの価格はユーザー数によって異なるが,10万ドル未満とする。米国ではすでに利用可能となっている。

 なおIBM社によると,米国空軍Hill空軍基地のThe Air Force Material Centerが同ソリューションの中核コンポーネントを導入し,「航空機の整備業務の改善に活用する」としている。

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