米Sapient社,米Embrace Networks社,米ThingMagic社は,RFID(無線周波数)技術を使った提案検証(POC)を作成したことを,米国時間3月25日に発表した。同POCは,供給チェーンの可視性の向上と自動化に関するもの。3社は,RFIDなどの新しい技術を既存のバックエンド・システムとシームレスに統合する方法に関して,企業の理解促進を支援している。同技術は,3月25~26日に米マサチューセツ州ケンブリッジで開催されるICタグ関連の国際会議「Smart Labels USA 2003」にて,デモが行われる。

 デモでは,商品が倉庫から小売販売店まで移動する簡単なイベントが発表される。RFIDタグをスキャンするRFIDリーダーを使って,タグ付けされた商品の行方を追跡する。情報がどのように追跡,集約,ルートされるか,また,バックエンドの倉庫管理システムとの統合方法などが発表される。

 このデモは,3社間における協調的な努力によって実現した。ThingMagic社は,商品が輸送されるときにそれぞれの商品に取り付けられたユニークなIDをスキャンするネットワーク対応の「Mercury 2 RFIDリーダー」を提供する。Embrace Networks社が提供する「Device Brokerage Platform」は,RFIDリーダー,同プラットフォームとバックエンドのシステム間の情報の流れを管理する。そのため,商品に関する重要な情報を即座に獲得,転送が可能になる。Sapient社は,実際の状況ではバックエンドの倉庫管理システムとなるインテグレーション・フロントを作成する。Embrace Platformに出入りするデータを完全にシームレスに統合する。

 「RFID技術は,小規模な利用では実証されていたが,スケーラブルなRFIDシステムの実装と付随するIT問題は,未解決の課題として残っていた。このデモは,リーダーとアプリケーションを既存の企業バックエンド・システムに統合することにより,企業が本物の,またはパイロット・システムを迅速に配備する方法を例証するものである」(ThingMagic社の共同設立者のRavi Pappu氏)。

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