米Microsoftの政府機関向けソース・コード公開プログラム「Government Security Program(GSP)」に中国政府が参加する。中国政府を代表するChina Information Technology Security Certification Center (CNITSEC)がプログラム参加の契約に署名したことを,Microsoft社が中国で現地時間2月28日に明らかにした。

 なお,Microsoft社会長兼チーフ・ソフトウエア・アーキテクトのBill Gates氏は同日,江沢民国家主席にこの契約について説明を行ったという。

 GSPは,Microsoft社の他のソース・コード開示プログラムと異なり,政府機関のセキュリティ対策に特化する。同プログラムの参加機関に無償でWindowsの技術情報を提供し,「高度なセキュリティ技術を適切に装備したコンピューティング・インフラの構築と導入を支援する」(Microsoft社)。また参加機関には,ワシントン州レドモンドにあるMicrosoft社の開発施設を訪れ,Windowsソース・コードの開発,テスト,導入などさまざまなプロセスを調査する機会が与えられる。進行中のプロジェクトや将来のプロジェクトについて専門家と議論を交わし,Microsoft社のスタッフに直接意見を述べることができる。

 北大西洋条約機構(NATO)やロシアの連邦通信情報局,英国政府がGSPへの参加を表明している。Microsoft社によると,30カ国以上の政府機関と交渉中だという。参加機関名については,参加機関の要望により公表しない場合がある。

 Bill Gates氏は「我が社のセキュリティへの取り組み『Trustworthy Computing(信頼に足るコンピューティング)』の一環として,中国政府の参加表明を得られたことを嬉しく思う。信頼しうるパートナとして,Microsoft社は中国政府に,安全性の高いコンピューティング・インフラを導入/管理するための情報を提供する」と述べた。

◎関連記事
米マイクロソフトのWindowsソース・コード開示プログラム「GSP」に英国政府が参加
米マイクロソフト,各国政府機関に向けたWindowsソース・コード開示プログラム「GSP」を発表
Windowsソース・コードを閲覧する最初の政府はロシア
米マイクロソフト,認証技術「Passport」のソース・コードを公開
「電子政府が脱Windowsへ」の真相
マイクロソフトが朝日新聞の「電子政府は脱ウィンドウズへ」記事に反論
米マイクロソフト,「オープンソースは“破綻"のモデル」
【アナリストの眼】米マイクロソフトの戦略転換,Windowsのソース・コード提供がもたらすもの

[発表資料へ]