米VA Software(旧社名はVA Linux)が米国時間2月25日に,ソフトウエア開発プロセス改善ツール「SourceForge Collaborative Development Process(CDP)」を発表した。VA Software社では,「最高品質のソフトウエアを構築するために,ベスト・プラクティスを提供する」としている。

 SourceForge CDPは,「SourceForge Enterprise Edition」に含まれている開発/協業/プロジェクト管理ツールを利用できるようになっている。これにより,「実際に機能する開発プロセスの導入に必要な柔軟性を組織に与える」(同社)。

 SourceForge CDPについて,VA Software社製品開発担当上級副社長のColin Bodell氏は,「アプリケーション開発のライクサイクル全体に関する包括的なモデルを提供するとともに,『SourceForge Enterprise Edition』を使ったソフトウエア開発のベスト・プラクティスを導入する際の具体例を示す」と説明する。

 SourceForge CDPは,ソフトウエア開発を行う組織に必要とされる“素材”をセットで用意している。たとえば,これから開発を始める組織は,アプリケーション開発の各段階におけるベスト・プラクティスや作業手順を迅速に適用するためのロードマップとしてSourceForge CDPを利用できる。また十分な開発経験を持つ組織の場合は,Software Capability Maturity Model(SW-CMM)などソフトウエア開発向けの標準的な品質管理基準に沿って開発プロセスを改善する際に,SourceForge CDPを使うことができる。

 同社によると,「従来のプロセス定義は理論だけに頼っているのに対し,SourceForge CDPは,実践的な方法論と,ソフトウエア・プロセスの改善に必要なツールの両方を提供する」という。たとえば,CMMのKey Process Areas(KPA)ごとに,SourceForge Enterprise Editionを使ったベスト・プラクティスを割り当てている。マニュアル,テンプレート,ワークシート,チェックリスト,サンプル・ポリシーや手順――などの素材を,SourceForgeアプリケーション内にインストールして参照することも可能である。

 さらにVA Software社はSourceForge顧客に対し,トレーニング/調査/コンサルティング・サービスを提供する。

 また同社は同日,ソフトウエア・プロセス・コンサルティング会社である米Software Systems Quality Consultingと提携したことも明らかにした。これにより両社は,企業における開発プロセスをSW-CMMのLevel 2および3に適合させるため,SourceForge Enterprise Editionの活用方法などについてコンサルティングを共同で行う。

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