英Sophosが米国時間1月2日に,2002年12月におけるコンピュータ・ウイルスの被害状況をまとめた調査結果を発表した。「Bugbear」と「Klez-H」による被害が相変わらず多く,全体の4分の1以上を占めている。ワースト10は以下の通り。

■2002年12月のウイルス被害ワースト10

1. W32/Bugbear-A    (Bugbear worm)   15.8%   3カ月連続で1位
2. W32/Klez-H       (Klez variant)   10.9%   11カ月連続でランクイン
3. Troj/Tubmo-A     (Tubmo Trojan)    5.9%   初ランクイン
4. W32/Klez-G       (Klez variant)    4.5%   再ランクイン
5. W32/Opaserv-G    (Opaserv variant) 3.9%
6. W32/Nimda-D      (Nimda variant)   2.9%
7. W32/Opaserv-A    (Opaserv variant) 2.7%
8. W32/Opaserv-F    (Opaserv variant) 2.5%
9. W32/Braid-A      (Braid worm)      2.2%
9. W32/ElKern-C     (Elkern)          2.2%

その他                                 46.5%

出典:Sophos社

 12月に感染が拡大したトロイの木馬型ウイルスに「Tubmo」がある。特定のWWWサイトやポータルからファイルをダウンロードさせ,ブラウザのセキュリティに悪影響を及ぼすという。

 Sophos社技術コンサルタントのChris Wraight氏は,「『Bugbear』と『Klez』を防御するのは簡単であるにも関わらず,当社のサポートの4分の1以上を占めている」と指摘し,「ユーザーは最新のアンチウイルス・ソフトを使用し,常識をはたらかせるように」,と注意を呼びかけた。

 Sophos社は,2002年12月に新種ウイルスを636種類検出した。現在,同社製品が防御できるウイルスは7万9017種類である。

 また同社は同日,2002年12月における偽情報のワースト10も発表した。1位の「JDBGMGR」は,コンピュータから「jdbgmgr.exe」というファイルを削除しないとウイルスに感染するというデマ情報である。

■2002年12月の偽情報のワースト10

1. JDBGMGR                            13.7%   8カ月連続で1位
2. Budweiser frogs screensaver        10.7%
3. A virtual card for you              7.2%
4. Bonsai kitten                       7.0%
5. Meninas de Playboy                  6.6%
6. Hotmail hoax                        6.0%
7. WTC Survivor                        5.7%
8. Elf Bowling                         3.6%
9. Mobile phone hoax                   2.9%
10.Frog in a blender/fish in a bowl    2.8%

その他                                33.8%

出典:Sophos社

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