英Sophosが米国時間7月1日に,2002年前半におけるコンピュータ・ウイルスの被害状況をまとめた調査結果を発表した。2002年前半に同社が新たに検出したウイルスは3279種に及んだという。

 最も被害が拡大したウイルスは「Klez-H」。Klez-Hは2002年3月に初めて検出された。

 なお,2002年前半におけるワースト10ウイルスは,すべてが電子メールを介して感染するWindows 32ウイルスだった。

 「『Word』のマクロやスクリプト・ウイルスはもう遠い過去のこと。今やウイルスとワームは,顧客サポートに欠かせない電子メール・クライアントやネットワーク機能を使って感染している」(Sophos社Sophos Americas事業部門技術コンサルタントのChris Wraight氏)。また同氏は「『Badtrans-B』『Magistr』『Nimda』『Sircam』など2001年に検出されたウイルスが,2002年になっても被害を拡大している」ことを指摘した。

 9位の「Bound」は英語だけでなく日本語にも対応したワームである。

 2002年前半のワースト10は以下の通り。

1. W32/Klez-H            29.4%          (Klez variant)
2. W32/Badtrans-B        23.5%          (Badtrans variant)
3. W32/ElKern-C           6.3%          (ElKern variant)
4. W32/Magistr-B          4.0%          (Magistr variant)
5. W32/MyParty-A          3.7%          (MyParty)
6. W32/Klez-E             3.0%          (Klez variants)
7. W32/Sircam-A           2.8%          (Sircam)
8. W32/Magistr-A          2.0%          (Magistr)
9. W32/FBound-C           1.8%          (Bound variant)
10.W32/Nimda-A            1.1%          (Nimda)

   その他                22.4%

出典:Sophos社

 ワースト10以外では,米Microsoftのプログラミング言語「C#」で記述された最初のワーム「Sharp-A」が3月に検出されている。6月にはJPEG画像ファイルに感染する「Perrun-A」が登場した。ただし,Sharp-AとPerrun-Aはユーザー・レベルでの被害は報告されていない。

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