フィンランドのNokiaと米IBMが現地時間12月17日に,エンタプライズ市場をターゲットとした,高度な携帯電話向けのエンド・ツー・エンドのセキュアなビジネス・アプリケーションを共同で提供することを発表した。

 IBM Global Servicesが,システム・インテグレータとしてSymbian OSをベースとした携帯電話とNokiaのMobile VPNソリューションを統合させる。

 NokiaのMobile VPNソリューションは,「Nokia Security Service Manager(NSSM)」,Mobile VPNクライアント・ソフトウエアのセキュアな無線プロビジョニング向け「Nokia Mobile VPN Client」,NokiaのSymbian OSをベースとする携帯電話のポリシーで構成される。IBM Global Servicesは,Nokiaソリューションを急成長中のエンタプライズ市場に提供してインストレーション,メインテナンス,資金調達,コンサルティング・サービスを含めたサービス製品で顧客のニーズに対応する。

 Nokiaは,セキュアなネットワーク・インフラをモバイル端末まで拡張するモバイル・セキュリティ・ソリューションを提供する。「Nokia Mobile VPN Client」は,標準をベースにしたIPSec VPNクライアント。レガシーとPKI(公開鍵インフラ)認証の両方をサポートする。NSSMは,Nokia Mobile VPN Clientなどのモバイル・セキュリティ・アプリケーション向けの無線プロビジョニング・システム。将来的にサードパーティ製アプリケーションにも対応する予定。

 「モバイルの設定と維持で重要な要素は,従業員のモバイル端末から企業ネットワーク間の安全な情報のトランザクションである。従業員がよりスマートかつ効率的に仕事ができれば,企業はより生産的になり,競争力を強化できる。新しいモバイル・セキュリティ・ソリューションが提供できることを喜ばしく思う」(Nokia Internet Communicationsの製品管理&マーケティング部門の副社長のDan MacDonald氏)。

 両社の協調により,ビジネスにおける高度な携帯電話の利用が促進され,モバイル・ワーク環境での生産性が向上する。セキュアなモバイル・インフラを利用したアプリケーションの一例は次の通り。

・個人レベルの生産性:カレンダ,メッセージング,グループウエア・ソリューション,イントラネット・アクセス

・顧客サービス:フィールド・サービス,人材管理,保険請求の処理

・販売力の自動化:受注管理,設定ルーツ

・業務の生産性:メインテナンス・サービス,パーツ発注,フィールド・レポーティング,原料管理,シップメントのトラッキング

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