英Analysysが現地時間12月5日に,モバイル・コンテンツとエンタテイメント・サービス市場に関する調査結果を発表した。それによると,この先3年の間に西欧において同市場の売り上げをけん引するのは,着信メロディから,ダウンロード可能なゲームに入れ替わるという。

 同調査では,モバイル・ゲームが同市場において短期間でもっとも成長の可能性が高い製品であると結論付けている。同社は,モバイル・サービスのゲームの売り上げは,2002年の2億5500万ユーロが2005年には10倍を越える30億ユーロに増加すると予測している。

 「西欧における2002年の同市場の価値は12億ユーロになり,着信音,ロゴ,その他のパーソナライゼーション・サービスが,同市場のバックボーンを形成してきた。しかし,パーソナライゼーション市場は急速に低下しており,ダウンロード可能なゲームが急激に売れ始めている」(同社の主任アナリストのKatrina Bond氏)。

 現在,大半のモバイル・ゲームは,Nokia製携帯電話の「Snake」のように本体に組み込まれているか,「Who Wants to be a Millionaire?」といった単純なテキスト・ベースのクイズ・ゲームとなっている。しかし,西欧の通信事業者は,モバイル・ハンドセットにダウンロードできるアーケート型のゲームを投入し始めている。たとえばO2 UKは,Atariのさまざまなゲームを提供している。価格は,1ゲームのダウンロードが2.50ユーロでゲームをプレイ可能な期間は1ヶ月に制約されている。

 西欧では,グラフィカルなゲームとリッチ・コンテンツを携帯にダウンロード可能にするカラー・スクリーンとJava機能を搭載するモバイル・ハンドセットが6カ月前に発売開始された。市場の浸透速度が速く,2005年の終わりまでにすべての携帯電話の60%がJava対応になると予測されている。

 日本では,NTT DoCoMoがiアプリと呼ばれるJavaベースのゲームと情報サービスを2001年に開始した。2002年10月終わりまでに3520万人のiモード加入者の内,43%がiアプリを使用していた。

 この先数年で,同市場の成長に貢献するその他のサービスには,マルチメディア・メッセージング・サービス(MMS)をベースとするコンテンツ・メッセージング,テレビ番組やラジオ局への投票を行うクロスメディア・サービスなどがある。

 現在,同市場の成長を阻む2大要因として,相互運用性とDRM(デジタル著作権管理)の標準の欠如が挙げられている。同社は,これら課題の対策とともにいくつかの要因が重なれば,2005年に110億ユーロ規模の市場に成長することも可能だと予測している。

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