フィンランドのNokia社と伊Vodafone Omnitel社は現地時間10月3日に,3GPPのリリース4に準拠したネットワークで初めてVoIP(voice over IP)による通話に成功したことを発表した。GSMと第3世代コア・ネットワークを組み合わせた新しいアーキテクチャにおける重要なマイル・ストーンとなるとともに,経済効率が良いオールIPに向けた大きなステップとなる。

 この通話は「Nokia MSC Server」と「Nokia Media Gateway」製品を使用している。Vodafone Omnitel社の技術管理代表が同サーバーの実装について学ぶために2日間ヘルシンキの研究室を訪れていた際に成功したもの。

 「Nokia MSC Server」は,増加するトラフィックのニーズに対応するために,モバイル・ネットワークでより効率的な移動通信交換とトラフィック転送を可能にする。これは,新しいコアとなるネットワーク・アーキテクチャで鍵となる要素であり,GSMとWCDMAネットワークを柔軟に組み合わせるもの。オールIPネットワークの開発において重要な段階となる。通信事業者は,既存の交換,転送ソリューションと比べて運用と施設投資でおよそ30%削減が見込める。

 「MSC Serverは,増大する需要に対して効果的に対応する。そのため,無線通信事業者にとって非常に興味があるコンセプトだと思う。同サーバーのネットワーク・アーキテクチャは,将来の無線ネットワークに適していると思う」(Vodafone Omnitel社のStefano Cantarelli氏)

 新しいコア・アーキテクチャの利点は,コントロール機能とルーティング機能を別のネットワーク要素に分割したことにある。同サーバーは,通話制御とシグナリング機能を持つ。同サーバーのアーキテクチャは,3GPPリリース4標準をベースとして移動通信交換と転送に向けて新しいパケット交換とVoIP技術を実装している。ルーティング機能は,別のネットワーク要素である「Multimedia Gateway」が実行する。分割が可能になったことにより,Nokiaソリューションは柔軟でスケーラブルになった。

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