米MasterCard International社が米国時間9月19日に,調達工程を大幅に簡略化する電子決済と情報管理サービスを発表した。米Xign社と提携することにより,企業と政府機関に請求から支払いまで電子的に行うサービスを提供する。

 同ソリューションは,同社の「MasterCard Corporate Payment Solutions」をXign社の「Xign Payment Services Network(XPSN)」に統合して,企業と政府機関にペーパーレスなエンド・ツー・エンドのB2B電子決済を提供する。

 同社のグローバルなeB2B戦略の一環として,管理コントロールの増強,バイヤーに認められた電子決済,データ収集力の強化,データ調整を含め,供給チェーンにおけるメリットを提供する。また,新しい決済プラットフォームでは,「MasterCard Corporate Purchasing Card」,「MasterCard Remote Payment and Presentment Service(MasterCard RPPS)」,「Automated Clearinghouse(ACH)」といった異なる支払いオプションに対応する。

 両社のソリューションにより,支払いと調整プロセスにおいて紙をベースとして行われてきたいくつかの経費がかかる段階を削除できる。バイヤーは,電子的に購入発注,サプライヤからの電子インボイスの受信,規則に基づいた電子的な支払い,トランザクション・データの受信,財政システムへのデータ統合ができる。

 「同ソリューションは,既存の調達ソフトウエア・サービスと企業リソース・プランニング(ERP)と合わせて使うことができる。企業顧客は,購入発注から,請求,支払いと調整すべてのプロセスを統合したいと考えているが,同ソリューションにより,企業は,購入カードと他の支払い方法をERPソリューションに統合して,自社の支払いシステムを完全に利用することができる。」(同社)。

 企業は,米国だけで年間約300億枚の手書きの小切手を扱っており,米Celent Communications社によれば,現在米国におけるB2B支払いの82%が紙の小切手で行われている。新しいソリューションは,この市場をターゲットとしている。

 MasterCardメンバーの金融機関は,近々この新しいソリューションを試験的に利用することができる。同サービスは2003年にリリースを予定している。

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