米Visa Internationalが米国時間9月19日に,クレジット・カードの電子決済システム「3-D Secure」のmコマース版「Mobile 3-D Secure」を発表した。携帯電話を使ったオンライン・ショッピングなどに向ける。

 3-D Secureは,クレジットカード番号のほか,パスワードを使って本人確認を行う。従来のSSL方式と比べセキュリティ機能を高めている。

 Visa社は,無線ネットワークにおける決済サービスの提供に関し,タイのHutchison Telecommunications,香港Dao Heng Bank,イタリアOmnitel Vodafone,米Sprintと提携関係に入った。現在,Mobile 3-D Secureを使った決済の実地試験を各地で行っている。

 「“u(universal)-commerce”構想のもと,いつでもどこでも安全に決済できるシステムの提供を目指す」(Visa社)。

 Visa社はオンライン決済システムのセキュリティに関する提携プログラム「Visa Authenticated Payment」を運営している。mコマース向け決済システムの開発に関しては,スウェーデンのEricsson,米Motorola,米OracleのOracle Mobile社など15社と協力体制を敷いている。

 mコマース市場に関しては,米Ovumが「無線端末からオンライン・ショッピングを利用する人は,2004年に世界で3億7300万人に達する」との予測分析を発表している。また,米Strategy Analyticsの調査報告によれば,「mコマース市場は2006年に2300億ドル規模に成長する」という。

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