米IBMは米国時間9月18日に,ハンドヘルド・コンピュータ上で迅速に言語翻訳を行う機械翻訳ソフト「ViaVoice Translator」を発表した。5言語に対応し,特定モデルの「iPAQ PocketPC」上で動作する。旅行者や外勤社員は,迅速かつ容易に,同ソフトが対応する外国語の電子メール,ダウンロードしたニュース,道路標識などを読めるようになる。

 米サンディエゴで開催中の「DEMOmobile 2002」で紹介された同製品は,同社の「WebSphere Translation Server」からの技術を基に作成された。英語,仏語,イタリア語,独語,スペイン語に対応しており,これら言語間で双方向の翻訳が可能。ユーザーがテキストを入力すると,別の言語に翻訳してテキストで表示するか音声で読み上げる。

 ユーザーがテキストを入力して翻訳する以外にも,「駅はどこですか?」,「両替をしたいのですが」などの基本的な50のフレーズがあらかじめ用意されている。また,テキストはデスクトップ,ソフト・キーボード,または手書き認識ソフトなどから直接iPAQに同期できるとともに,「Pocket Word」や電子メールなどのテキスト・ベースのドキュメントからコピーして貼り付けもできる。翻訳されたテキストは,同社の組み込み型テキスト・ツー・スピーチ技術を使って読み上げるか,テキストとして表示される。

 「ViaVoice Translator」は,ibm.comやその他のオンライン・ショップからのダウンロードまたは小売販売店からCDで入手可能となっている。希望小売価格は,フル・パッケージ製品が49.99ドル, 4言語ペアすべてのダウンロードが29.99ドル,個別の言語ペアのダウンロードが19.99ドル。iPAQのH3600,H3700,H3800,H3900モデルで動作する。メモリ要件は,すべての言語ペアをロードする場合に128Mバイト,独語ペアには64Mバイト,それ以外の言語ペアには32Mバイトが推奨される。

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