英ARC Groupは英国時間8月29日,モバイル・サービス市場に関する調査結果を発表した。それによると,この先3年間でARPU(ユーザー1人当たりの平均売り上げ)は多少減少するが,特にアジア太平洋地域におけるモバイル加入者数が増加するため,2007年までに同市場は100%以上成長するという。

 また,同期間におけるモバイル・データ・サービスの成長も著しく,2002年には事業者の売上高の10%未満だったのが,2005年には20%以上になりそれ以降はさらに成長が予測される。

■2002~2007年のモバイル・サービス市場の傾向

              2002年                 2007年
データ(%)    10%                    30%
ARPU(ドル)  30.85                  27.09

 同市場における成長をけん引するのは,オンライン・ゲームや位置情報サービスを含む消費者とビジネス・ユーザーの両方に向けた新しいアプリケーションだと考えられる。モバイル市場をけん引するコンテンツを作成するために,ネットワーク・オペレータ,コンテンツ・プロバイダ,サービス・プロバイダは,透過的なビジネス・モデルと売り上げモデルによって互いに提携する必要があるという。

 同社は,コンテンツ・プロバイダとサービス・プロバイダとともに,プロファイル管理システムなどのミドルウエアのサプライヤにもチャンスがあるとみている。

 「モバイル・サービス市場は,企業-消費者間(B2C),企業-従業員間(B2E),企業間(B2B)の3つの分野に分割されているとみている。B2B分野は,新しいモバイル・サービスを可能にするカギになる。プロバイダにとってビジネス・サービスの収益が増加するに従い,市場全体でより多くの価値が生成される」(同レポートの作者Richard Jesty氏)。

 また,同社はモバイル・サービス開発が3つの波で発展すると考えている。最初の波は,音声サービスのニーズによってけん引されるもので,MMSなど発展中のメッセージング機能によって強化される。第2波は,モバイルによる新しい支払い方法によりけん引され,第3の波は,2005年周辺の大衆市場に向けた第3世代ネットワークの配備と同時期に起こると考えてられている。

 また,同社は,モバイル・サービスの領域が広がり,高度化するにつれ,すでにアジア太平洋市場がそうであるように,新しいメディアとモバイル・マーケティング・チャネル間のつながりが強くなると考えている。

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