米Wind River Systems社は同社の「Cool Customer Design」アワードを本田技研工業の人間型ロボット「ASIMO」に授与したことを米国時間6月20日,発表した。ASIMOは二足歩行型のロボットで複雑なタスクをこなすことができる。

 ASIMOの身長は,4フィートで重量は約115ポンド。Wind River社のリアルタイムOS「VxWorks」を使用して,リアルタイムで複数のタスクを実行できる。

 「プログラム内では同時に10を越えるタスクが実行されており,すべてのプログラムを含めれば,数十万のコマンドが実行されていることになる。たとえば,足のバランスをコントロールするタスク,腕を動かすタスク,外部システムとの無線通信などである。また実際にジョイントを動かすモーター間の通信もある」(ホンダASIMOプロジェクトの主任技術者のToru Takenaka氏)。

 「ASIMOが動くのを見て初めてどんなに素晴らしいかが分かる。もっとも驚いたのはそのバランスだ。ASIMOの動きと反応は実に驚くべきものだ」(Wind River社の理事兼共同設立者のJerry Fiddler氏)。

 ホンダは,ASIMOに人間社会の日常生活を支援させる構想を描いている。「基本的な家事や家のメンテナンスでロボットの使用も計画しているが,家庭でロボットが使われるようになるまでには12年ほどかかると思う。それまでに美術館のガイド,ボディーガードなど公共のエリアで使われるだろう。また危険な状況において人間に代わって使われる可能性もあるだろう」(Takenaka氏)

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