米WIDCOMM社と米Texas Instruments(TI)社が米国時間5月29日に,BluetoothのUSBドングルのリファレンス設計を明らかにした。同設計は,USBプラグ・アンド・プレイ技術とBluetooth技術を組み合わせて,電子デバイスに使いやすく低コストでBluethooth機能を提供できるように設計されている。WIDCOMM/TIドングルにより, PC,周辺機器,プリンタ,携帯電話間で無線接続が可能となり,ソフトウエアのインストールや設定の必要なくBluetooth機能を提供できる。

 同リファレンス設計は,TI社のBluetoothソリューション「BSN6050」を基にしている。Bluetoothプロトコル・スタックをドングルに組み込んでプロセサ・ホストの必要性を排除することによってコストを削減する。またソフトウエアをインストールする必要性もない。ユーザーは何の設定もせずに,ドングルをUSB対応のデバイスに直接を差し込んで即座に使用できる。

 ROMベースの「BSN6050」は,データ転送速度723Kバイト/秒に対応する。最大7つのピコネット・リンクと同時にSCO(Synchronous Connection Oriented)音声チャネルを最大3つまでサポートする。またマスター/スレイブ切り替え機能,Park,Sniff,Holdモードを持つ。

 現在,Bluetooth対応の周辺機器(キーボードとマウス)向けにHuman Input Devices(HID)に対応するプロトタイプ製品が入手可能となっている。後にリリースされるバージョンは,携帯電話(DUNプロファイル)と組み合わせて使うためのダイヤルアップとプリント機能(HCRP,,PP,BIPプロファイル)をサポートする。

 米GVC社は,WIDCOMM/TIのドングル・リファレンス設計に基づいて,2002年第3四半期にOEM製品としてトングルの販売を開始する。大量購入時の価格は20ドル未満となる予定。

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